コラム形式でお送りしている「パブリックサインで振り返る平成」、第4回目の今回は、オリンピックを意識した標識の移り変わりをご紹介します。
標識準備等の違いにみる二つの東京オリンピック
開催が待ち遠しい2020年東京オリンピック。国をはじめとする行政、民間企業が一緒になって多方面にわたる準備を進めています。道路案内標識も外国の方を含めた全てのひとにわかりやすいものへと、着々と整備が進んでいます。
ここでは、初代と当代の二つの東京オリンピックを、標識準備等の観点から比べてみます。
初代 東京オリンピック | 当代 東京オリンピック | |
開催決定 |
昭和34年(1959年)5月26日に西ドイツのミュンヘンにて |
平成25年(2013年)9月7日、ブエノスアイレスにて |
開催期間 |
昭和39年(1964年)10月10日から10月24日までの15日間 |
令和2年(2020年)7月22日から8月9日までの19日間 |
道路整備 |
高速道路の開通 など |
首都圏3環状道路の整備 など |
標識準備 |
オリンピック開催を機に、高速道路用の標識が設置される |
外国の方にもわかりやすい多言語対応をキーワードに、誰にでもわかりやすい道路案内標識の整備が進行中 ①英語表記の改善 |
英文表記の進化はいつ、どのように?|ローマ字から英語併記へ
昭和25年(1950年)、終戦後のGHQ占領下において、標識に英文の補助板が取り付けられました(※1)。
その後、昭和61年(1986年)にローマ字併用表示が基本とされていましたが、平成26年(2014年)の案内標識における和文・英文の併用表示(一部の施設)への変更、平成29年(2017年)には「徐行」や「一時停止(止まれ)」などの一部の規制標識についても英語が追記されることになりました。
(※1)総理府・建設省令「道路標識令」の改正により、ヨーロッパ型の記号表示を原則とし、これに日本文、英文を入れることになりました。 (https://www.mlit.go.jp/road/sign/sign/douro/hist01.htm)
【参考】一般社団法人 全国道路標識・標示業東京都協会 会報誌(Vol15)
最近の公共サインでは、英語以外の言語も積極的に取り入れる動きが見られます。
次回の第5回目では、図形(ピクトグラム)の活用についてご紹介します。