グラスグリッド:Q&A

HOME > 製品一覧 > 土木製品 > クラック抑制シート グラスグリッド > グラスグリッド:Q&A
「舗装」「グラスグリッド」に関するQ&A集

「舗装」関するQ&A

「グラスグリッド」に関するQ&A

Q.

舗装とは?

A.

舗装は、自動車や人が安全で円滑かつ快適に通行できるように、所要の材料を適切に組み合わせて造られた層状の構造物です。路面を形成する表層に使用する材料によって様々な種類の舗装があり、代表的なものとしては、アスファルト舗装とコンクリート舗装の2つがあります。

 

 ■アスファルト舗装:アスファルト舗装は、表層の材料にアスファルト混合物を用いたものです。下図に示すように、一般には表層と基層、路盤からなり、路床の上に構築されます。路面で受けた交通荷重を順次下層へ伝達し、最終的には路床を通じて路体へ分散させる構造となっています。

 

 ■コンクリート舗装:コンクリート舗装は、表層の材料にセメントコンクリートを用いたもので、一般には下図に示すように、コンクリート版と路盤からなり、路床の上に構築されます。路面で受けた交通荷重を表層のコンクリート版で支持し、版全体を通じてほぼ均一に下層へ伝達する構造となっています。


glasgrid-q&a-pavement-1.png

図:アスファルト舗装とコンクリート舗装の断面

Q.

舗装の役割は?

A.

舗装の役割は、沿道の環境に配慮しつつ安全で円滑かつ快適な交通を確保することです。

<舗装に求められること>

・車両の円滑で快適な走行を確保するために、路面が平たんで、ひび割れがなく、水はねがしないこと。

・車両の走行安全性を確保するために、路面がすべりにくく、わだち掘れが小さいこと。

・環境の保全と改善が求められる箇所では、振動抑制機能や、透水性、低騒音性、

 路面温度上昇抑制機能など、現地の状況に応じて必要な性能を付与するようにすること。

Q.

舗装はどうしてひび割れるの?

A.

 

舗装のひび割れは、路面に作用する繰返し交通荷重や気象作用(降雨、気温、紫外線など)などにより、表層が劣化や変状をきたしたり基層以下の耐久性が構造的に損なわれた場合に生じます。

 このように舗装のひび割れは様々な要因で発生し、線状のものから亀甲状のものまで様々な種類のものがあります。アスファルト舗装を例にとると、以下のようなものがあります。

 

(1)線状ひび割れ

① 疲労ひび割れ 

 繰返し交通荷重により、アスファルト混合物層下面に曲げ引張りひずみが発生し、これが蓄積してアスファルト混合物層下面から上方に向かって進展するひび割れです。車輪走行部に左右1本ずつ発生し、進行すると亀甲状のひび割れに進展します。交通荷重によるポンピング作用により、路盤材の細粒分がひびわれを通じて上方へ押し出され、やがてその細粒分が路面にまで噴出するようなこともみられます。

glasgrid-q&a-pavement-3.png glasgrid-q&a-pavement-2.jpg

図:疲労ひび割れの発生、写真:疲労ひび割れ 

 

② わだち割れ

 車輪走行部(わだち部)に、舗装表面からジグザグ状に発生するひび割れで、トップダウンクラックとも呼ばれています。これは、繰返し交通荷重により、アスファルト混合物層の表面に引張りひずみが生じ、これが蓄積されることで、舗装表面からひび割れが発生し、疲労ひび割れとは逆に下方に向かって徐々に進展していくものと考えられています。また、荷重作用だけでなく、アスファルト混合物の劣化・老化にも起因しているとされています。

 アスファルト混合物層が厚く、大型車交通量が多い箇所で、路面温度が高くなる夏季の高温時に発生しやすいとされています。


glasgrid-q&a-pavement-3.png図:わだち割れの発生

 

③ 凍上ひび割れ

 冬期の低温時に、路床土の中の水分が凍結して、路床に大きなアイスレンズと呼ばれる氷の層が発生し、地面が隆起することで生じるひび割れです。凍上は不均一に発生するため、発生位置は様々です。

glasgrid-q&a-pavement-4.png

図:凍上ひび割れの発生

 

④ 施工継目のひび割れ 

 施工継目において、転圧不足や接着不良などにより、アスファルト混合物の一体化が損なわれることで発生するひび割れです。施工継目に沿って直線状に発生します。

 

⑤ リフレクションクラック

 目地やひび割れのあるコンクリート版やアスファルト舗装あるいはセメント安定処理路盤などの上にアスファルト混合物を舗設した場合、その下層の目地やひび割れに起因して生じるひび割れです。これは、交通荷重や温度変化の繰返し作用に伴い、目地やひび割れ部でアスファルト混合物層下面に過大な引張りやせん断による応力・ひずみが発生し、これが蓄積してアスファルト混合物層下面から上方に向かって進展し、路面に現れるものです。 コンリート版の横目地に起因している場合は目地と同じ間隔で、セメント安定処理路盤などの収縮ひび割れに起因している場合は横断方向にほぼ等間隔で発生します。 

 


glasgrid-q&a-pavement-5.png写真:リフレクションクラック

⑥ 温度応力ひび割れ

 急激な温度低下に伴うアスファルト混合物の収縮によって発生するひび割れで、低温クラックとも呼ばれています。寒さが厳しい山岳地域などで多くみられ、舗装全体にわたり横断方向にほぼ一定間隔に発生し、アスファルト舗装厚が薄い箇所ほど、ひび割れの発生本数は多くなります。経年変化とともに、ひび割れが増加し、段差を生じるなど平たん性の悪化にもつながります。

 

2)亀甲状ひび割れ

路床・路盤の支持力低下によるひび割れ

 アスファルト混合物層のひび割れを通じて、雨水が路床・路盤に浸透し、これにより路床・路盤の支持力が低下することで発生するひび割れです。車輪走行部に沿って発生し、路床・路盤の変形により、路面の沈下を伴う場合が多くみられます。

 

glasgrid-q&a-pavement-6.png図:路床・路盤の支持力低下によるひび割れの発生

 

融解期の路床・路盤の支持力低下によるひび割れ

 春の融解期に、路床に形成されたアイスレンズと呼ばれる氷の層が融解し、これにより路床の支持力が低下することで発生するひび割れです。路面の沈下を伴い、車輪走行部に発生します。

 

glasgrid-q&a-pavement-7.png図:融解期の路床・路盤の支持力低下によるひび割れの発生

 

アスファルトの劣化・老化ひび割れ

 紫外線や大気中の酸素、雨水等の気象作用によるアスファルトの劣化・老化により、アスファルト自体が硬化、収縮することで発生するひび割れで、路面全体にわたって発生します。路面の沈下を伴わない場合が多く、軽交通の箇所でも発生します。

 

glasgrid-q&a-pavement-8.png glasgrid-q&a-pavement-9.jpg


図:アスファルトの劣化・老化ひび割れの発生、写真:アスファルトの劣化・老化ひび割れ

 




Q.

舗装にひび割れ(クラック)を発生させないための方法は?

A.

ひび割れを発生させないためには、その発生原因に応じて適切な対策を講じる必要があります。

以下、各対策について、例を記述します。

  • 疲労ひび割れ
     疲労ひび割れを防ぐには、適切な構造設計が求められます。構造設計時には、路床支持力と舗装計画交通量に応じて定められる交通量区分をもとに、所要の疲労破壊輪数を満足するような必要等値換算厚TAを求め、設定する断面の等値換算厚(TA’)が必要等値換算厚TAの値を下回らないように、表層、基層、上層路盤、下層路盤の使用材料と厚さを決定することが大切です。
    なお、 TAとは、下図に示すように、舗装各層を表層および基層用の加熱アスファルト混合物で設計したときの必要厚さで、信頼度90%の場合には、TAは下記の式(1)より求められます。


    glasgrid-q&a-pavement-10.png

 また、等値換算係数は、舗装を構成するある層の厚さ1cmが表層および基層用加熱アスファルト混合物の何cmに相当するかを示す値で、設計断面の等値換算厚(TA’)は下記の式(2)より求められます。

 

 

glasgrid-q&a-pavement-10.png

 

  そのほか、疲労ひび割れを防ぐには、材料や工法面から、アスファルト混合物層の疲労抵抗性を高めたり、高強度のひび割れ抑制シートでアスファルト混合物層を強化したり、路盤の支持力を十分確保したりすることも効果的です。

● 凍上ひび割れ、融解期の路床・路盤の支持力低下によるひび割れ
 凍上ひび割れや融解期の路床・路盤の支持力低下によるひび割れが懸念される場合には、路床の一部に凍上抑制層を設け、必要な深さまで路床を凍上が生じにくい材料、例えば砂利や砂のような粒状材料で置き換えることが大切です。

● 施工継目のひび割れ
 施工継目のひび割れを防ぐには、施工時に、既設舗装の側面を温めたり、側面にアスファルト乳剤を塗布したり、成型目地材を貼り付けたりするなどして、既設舗装の側面と十分接着が図れるようにすることが大切です。また、施工継目部で舗装が一体化するように、敷きならしたアスファルト混合物を十分転圧して締め固めることも大切です。

● リフレクションクラック
 リフレクションクラックが懸念される場合には、舗設するアスファルト混合物層の厚さを厚くしたり、ひび割れ抑制シートや薄層の応力緩和層を設けるなどの対策を採ることが大切です。

● 温度応力ひび割れ
 温度応力ひび割れが懸念される場合には、アスファルト舗装の厚さを厚くしたり、アスファルト混合物層の応力緩和性能を高めたり、アスファルト混合物層の中にひび割れ抑制シートを敷設したりするのが効果的です。

● 路床・路盤の支持力低下によるひび割れ
 路床・路盤の支持力低下によるひび割れを防ぐには、路面のひび割れが軽度なうちに、シール材をひび割れに充填して、雨水が路床・路盤に侵入するのを遮断することが大切です。

Q.

タックコートの種類は?

A.

タックコートは、アスファルト混合物を舗設する場合、その下層表面にアスファルト乳剤を散布して、舗設するアスファルト混合物層とその下層の基層や上層路盤の瀝青安定処理層などとの接着を図るために行うものです。

 タックコートに使用するアスファルト乳剤には、以下のようなものがあります。

 

PK-4

 浸透用のカチオン乳剤で、一般的に用いられているものです。

 

② ゴム入りアスファルト乳剤(PKR-T

 改質アスファルト乳剤で、ポーラスアスファルト混合物、開粒度アスファルト混合物、改質アスファルト混合物を舗設する場合や橋面舗装などにおいて、層間接着力を特に高めたい場合に用いられるものです。

 

③ タイヤ付着抑制型アスファルト乳剤(PKM-T

 改質アスファルト乳剤で、アスファルト乳剤が分解した後、施工車両のタイヤへの付着(ベタツキ)を抑制したい場合に用いられるものです。

 

④ 速分解型アスファルト乳剤(PKM-T-Q

 改質アスファルト乳剤で、分解促進剤を同時に散布することで、アスファルト乳剤の分解時間を大幅に短縮したい場合に用いられるものです。タイヤの付着抑制機能も兼ね備えています。

 

 

 

Q.

舗装修繕の種類はどのようなものがあるの?

A.

舗装の修繕は、路面の性能や舗装の性能が低下し、主に路面や表層を対象とした日常的な維持や予防的維持では十分な回復効果が期待できない場合に実施されるものです。

 アスファルト舗装の修繕工法としては主に以下のようなものがあります。

 

① 打換え工法

 既設舗装の路盤もしくは路盤の一部までを打ち換えるもので、場合によっては路床の置換えまたは既設の路盤の安定処理を行うこともあります。既設舗装の全層を打ち換える場合は全層打換え工法、既設舗装の路盤の一部までを打ち換える場合は部分打換え工法と呼ばれています。

 この工法は、構造的なひび割れ(疲労ひび割れ、リフレクションクラック、路床・路盤の支持力低下によるひび割れ、凍上ひび割れ、融解期の路床・路盤の支持力低下によるひび割れなど)や路床・路盤に起因するわだち掘れ、平たん性の低下などの修繕に用いられています。

 

 

② 局部打換え工法

 既設舗装の破損が著しく、その他の工法では補修できない場合に、表層、基層あるいは路盤から局部的に打ち換えるものです。

 この工法は、通常、下記に示すオーバーレイ工法や表層・基層打換え工法を行う際に、局部的にひび割れが大きい箇所で多く併用されています。

 

 

③ オーバーレイ工法

 既設舗装の上に、 3cm以上の厚さで加熱アスファルト混合物層を舗設するものです。

 この工法は、線状ひび割れ(疲労ひび割れ、わだち割れ、施工継目ひび割れ、リフレクションクラック、温度応力ひび割れ、凍上ひび割れなど)やアスファルト混合物の塑性変形や摩耗によるわだち掘れ、路面破損による平たん性の低下、ポリッシングによるすべり抵抗性の低下などの修繕に用いられています。

 路面にひび割れが生じている場合には、必要に応じて、シール材の注入を施したり、ひび割れ抑制シートや薄層の応力緩和層を設けるなどのリフレクションクラック対策を採ることが大切です。

 

 

④ 表層・基層打換え工法(切削オーバーレイ工法)

 既設舗装を表層または基層まで打ち換えるもので、切削により既設アスファルト混合物層を除去する場合は切削オーバーレイ工法と呼ばれています。

 この工法は、構造的なひび割れ(疲労ひび割れ、リフレクションクラック、路床・路盤の支持力低下によるひび割れ、凍上ひび割れなど)やアスファルト混合物の劣化・老化によるひび割れ、路面破損による平たん性の低下、ポリッシングによるすべり抵抗性の低下などの修繕に用いられています。

 

 

路上路盤再生工法

 既設アスファルト混合物層を現位置で路上破砕混合機等によって破砕し、同時にこれをセメントや瀝青系材料等の安定材と既設路盤材とともに混合、転圧して、新たに安定処理路盤層を構築するものです。なお、かさ上げが困難な場合には、既設アスファルト混合物層の一部を切削するなどの事前処理を行ってから、同様な方法で安定処理を施します。また、かさ上げが困難で等値換算厚が不足する場合には、既設アスファルト混合物層すべてを撤去してから、既設路盤材料だけを安定材で安定処理します。

 この工法は、打換え工法と同様な破損の修繕に用いられています。

 

 

Q.

道路のひび割れ抑制シート「グラスグリッド」とは?

A.

グラスグリッド」とは、道路のひび割れ(疲労ひび割れやリフレクションクラックなど)の発生を抑制するシート状の素材です。アスファルト表層の下に敷設することでひび割れの発生を遅延させることができます。ひび割れの発生を遅延させることができるため、道路の長寿命化にも貢献でき、結果、道路のメンテナンスにかかる費用も抑制することができます。

詳細は、製品ページをご覧ください。

Q.

「グラスグリッド」は、どのようなひび割れ(クラック)に効果があるの?

A.

グラスグリッド」は、リフレクションクラックや疲労ひび割れ、温度応力ひび割れに対し、ひび割れ抑制効果を発揮します。
それぞれのひび割れ(クラック)の説明については「舗装はどうしてひび割れるの?」をご確認ください。

Q.

「グラスグリッド」は、コンクリートに使用できるの?

A.

グラスグリッド」は、アスファルト舗装(敷設面がアスファルトまたは路盤)、コンポジット舗装(敷設面がコンクリート)などに適応します。
適応可否につきましては、一度ご相談ください。

Q.

「グラスグリッド」は、何でできているの?

A.

グラスグリッド」は、グラスファイバーでできています。何千ものガラス長繊維を束ね、特殊コーティングを施すことにより、業界最高水準の強度を確保しています。

Q.

「グラスグリッド」は、どの工事にどの品種を使えばいいの?

A.

グラスグリッド」は、新設道路、打ち換え、切削オーバーレイ、オーバーレイなど、あらゆる工事で使用が可能です。適応する品種についてはこちらのページをご確認ください。

Q.

「グラスグリッド」は、どのぐらいの実績があるの?

A.

グラスグリッド」は、世界60か国、約1億㎡以上の実績があり、日本国内においても約350プロジェクト以上の実績があります。施工事例ページはこちらです。

Q.

「グラスグリッド」の施工方法は?

A.

グラスグリッド」の施工動画についてはこちらをご覧ください。
詳細につきましては、「施工マニュアル」をご用意しております。メールや郵送、直接お渡しなどをさせて頂きますので、お気軽にお問合せください。

Q.

「グラスグリッド」の在庫はどこでしているの?

A.

グラスグリッド」は、栃木県那須町にある弊社の那須工場で在庫しております。数量が多い場合はお早めにお問合せ下さいますようお願い申し上げます。

お問い合わせ

CONTACT